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開運本13「到達不能極」

2018年の江戸川乱歩賞受賞作「到達不能極」。著者の斉藤詠一は本作がデビュー作だ。南極が舞台の時空を超えたミステリーで、著者は南極を訪れたことはないそうで、恐ろしい想像力と筆力の持主だと感じた。ツアーコンダクターの望月拓海が乗る南極遊覧の飛行機が南極内陸部深くに不時着する。拓海は謎のアメリカ人のランディ・ベイカーと悪戦苦闘しながらアメリカのプラトー基地に緊急用の物資を取りに行く。ベイカーが基地のアマチュア無線機で呼びかけると、日本南極地域観測隊の伊吹が応答した。伊吹たちも通信異常に陥っていた。飛行機の不時着や観測隊の通信異常の原因は、第二次世界大戦の時のナチスの極秘実験に繋がっていた。物語は1945年と2018年を行き来し、登場人物たちの様々な思いが交錯する。南極遊覧の飛行機に乗っていた老人とユダヤ人女性の半世紀の時を超えた恋物語はロマンチックだ。 

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