公安小説の第一人者、濱嘉之さんの「孤高の血族」をGW中に読みました。
東北の名家で医者の一族、池田家の次男として生まれた利雄は優秀なきょうだいと比較され、コンプレックスを抱えながら生きてきた。
伯父が勧めたアメリカ留学をきっかけに先進的な技術を身につけ、外科医として、日本全国に名声がとどろくように。
病院の権力と富を自らに集中するため、血を分けたきょうだいや親族を追放し、家族の中に次第に軋轢が生まれていく。
周囲を顧みることなく、増幅していく利雄の野望が、欲望や傲慢という泥沼に足をとられる。そして、裏社会に繋がった詐欺に巻き込まれることに…。
登場人物が多く、最初は読み進めるのに苦労しましたが、中盤からは物語の世界に一気に引き込まれました。
コンプレックスを抱えた10代、20代から、アメリカ留学で得た最新技術で成功を収め、肥大していく自我の闇の中で転落していく男の一代記が巧みな筆致で、鮮やかに描かれていました。結末は、意表を突かれました。
病院のドロドロした舞台裏がリアルに描かれているのは、親族や医療関係者から聞いた実話に基づいているからのようです。
作者がデビュー前、警視庁退職前の46歳の時に「自分の人生の復習」として書き上げた作品が約20年の時を超え、世に出ました。作家の原点が垣間見れる貴重な作品だとおもいます。

【人生という名のドーナツ】
























































