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開運本8「リコール」

保坂祐希という作家の「リコール」という自動車メーカーを舞台にした小説を完読した。537ページの長編だが、先の展開が気になり、一気に読んだ。ストーリー展開や人物描写の巧みさに舌を巻いた。大手の自動車メーカーの勤務経験があり、よく知っている業界の話とはいえ、今作品がデビュー作というのは、恐ろしい新人作家だ。
キャピタル自動車のエンジニア、藤沢美希はエンジンの組み付け工程のラインで働いている。厳しい現場だが、美希にとっては気に入っている職場だ。だが、唐突の辞令で、製造部門の谷原専務の秘書に異動することに。晴天の霹靂の人事に驚く。美希の新しい上司の谷原は若干40歳で、社長の娘婿で、将来を嘱望されている。キャピタルの主力車種バレットの事故原因の隠蔽に気付いた谷原は経営陣に立て付き、グループ会社に左遷される。バレットのリコールを目指す谷原は美希に事故原因の究明を託す。美希は前の職場の仲間たちに協力を仰ぎ、事故原因の真実に迫ろうとするが、次々とピンチが美希と仲間たちを襲う。
映画化やWOWOWでのドラマ化をぜひ期待したい。ハラハラドキドキさせられる秀逸な作品だ。この小説のモデルとなった自動車メーカーはあの会社だろうか?

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