願いが叶う旅と本とグルメの開運ブログ(開運の神社飯)

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開運本19「この恋は世界でいちばん美しい雨」

信長協奏曲」などのドラマ、映画の脚本を手掛けた宇山佳佑の「この恋は世界でいちばん美しい雨」。交通事故により、過酷な運命を背負ってしまった二人の切なすぎるラブストーリー。駆け出しの建築家、誠は鎌倉の海辺のカフェ「レインドロップス」で働く日菜に恋をする。雨の日に傘の話で盛り上がり、二人は付き合うようになる。甘い同棲生活を送る誠と日菜は雨の日、二人乗りのバイクで事故死してしまう。しかし、奇跡対象者に選ばれた二人はライフシェアリングで、二人で余命20年の命を授かる。案内人の能登明智から幸福量を測る腕時計を渡され、喜びを感じると相手の余命を一年奪い、悲しみを感じると相手に余命一年を与えるという過酷なルールで生きていくことになる。誠は日菜のために理想の家を建て、二人で暮らすことを夢見ているが、非情にも余命を奪い合いながらの限られた時を共有する。あまりにもユニークな設定の小説だが、巧みな伏線、生き生きとした台詞、個性的な登場人物が躍動する哀しい恋物語に入り込んだ。脚本家らしく、鮮やかな映像美が浮かぶような作品だ。 

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